「お別れのご用意を…・」
医師より臨終を受けましたら、末期の水(死水)をとります。これは本来、現世最後の施食を給したという釈尊の故事にならったものですが、現在では故人への愛情を表現し、最後の別れを告げる儀式として、 ほとんどの宗教宗派で行われています。真新しい割箸の先に脱脂綿を丸く巻き付けた上に根元を白糸で待ったものか、新しい筆を使って唇を静かに濡らします。まず肉親から始めて、近親者、友人という具合に故人と緑の深かった方より行ってゆきます。
地域の習俗、宗教宗派により、形と方法が異なります。専門識者に意見を聞くと良いでしょう。一例を示しますと、帯を立て結びにする。 衣服の前身ごろを左前にする。など日常の生活習慣と相反する行為をすることで、死霊から身を守るという習俗的な意味から行うものが引き継がれて現代の形になっています。 最近では、故人の愛用していた着物などを着せて送ることも多くなってきました。